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2022年6月11日更新
  • 住まいの専門家 監修

最適なガス給湯器メーカーの選び方 人気メーカーと一覧もご紹介

給湯器の交換で軽視されがちなのが「メーカー選定」です。国内のガス給湯器メーカー「ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパス…」に加え、OEMブランド「ガス会社、キッチンメーカー…」の給湯器もあり、失敗を減らすためには基礎知識が必要です。そこで今回は「上手に買い物をする第一歩」としてメーカー選びのコツを学びましょう。

この記事の執筆者

ケアラCareLa編集部【公式】

ガス給湯器のブランドは大きく2つ

ガス給湯器のイメージ

まず、ガス給湯器には大きく2つのブランド(市場)があります。

1一般市販市場…「NORITZ」や「Rinnai」など、製造メーカーブランドで販売される市場
2OEMブランド市場…ノーリツやリンナイなどが製造し、「TOKYO GAS※」や「OSAKA GAS」などのガス会社、及び「Takara standard」「TOTO」「LIXIL」などキッチンメーカーのブランドマークをつけて販売される市場

※東京ガスは、2017年3月末をもって「TOKYO GAS」ブランドマークが入った『プライベートブランド』を終了し、現在はメーカー各社の『ナショナルブランド』を販売している

ここからは、特に声の多い「製造メーカー」の選び方について詳しくご紹介します。

 

ガス給湯器の製造メーカー 一覧

ガス給湯器のメーカーは、ノーリツやリンナイだけではありません。
主なメーカーは次のとおりです。

1ノーリツ(NORITZ)
2リンナイ(Rinnai)
3パロマ(Paloma)
4パーパス(PURPOSE)
5長府製作所(CHOFU)
6ハウステック(Housetec)
7ガスター(GASTAR)…東京ガスの子会社であったが、現在はリンナイグループ
8ハーマン(HARMAN)…大阪ガスの子会社であったが、現在はノーリツグループ
9ナショナル(National)…既にガス市場から撤退

これらの中で、主力のメーカーは4社と言われています。

 

ガス給湯器メーカーのスタンダード4社

ノーリツ (NORITZ)

NORITZ ロゴ

  • 東証1部 上場(本社:兵庫県神戸市)
  • 売上:2,083億円(2019年12月期)

給湯器(温水分野)を中心とするお湯まわりメーカーで、リンナイとトップ争いを続けており、給湯器市場のシェアは約40%を占める。

企業ホームページ内でも「お湯に関わるコンテンツ」が充実しており、給湯器の検討には欠かせない1社である。

 

リンナイ (Rinnai)

Rinnai ロゴ

  • 東証1部 上場(本社:愛知県名古屋市)
  • 売上:3,404億円(2020年3月期)

ガス機器業界トップで、国内だけでなく世界80カ国に展開するグローバル企業。

給湯分野ではノーリツとトップ争いを続けており、近年ではスマートフォン(アプリ)を軸に給湯器や温水システムの遠隔操作などにも力を入れている。

ガスコンロのメーカーと思われがちだが、給湯分野が全売上の約58%(厨房機器の2倍以上)を占めており、「給湯器が主軸」のメーカーである。

 

パロマ (Paloma)

Paloma ロゴ

  • 非上場(本社:愛知県名古屋市)
  • 売上:4,560億円(2019年12月期)

海外を含めるとリンナイよりも売上高は大きいが、国内においての売上は2017年度で約500億円と規模は小さめ。

国内ではガステーブルや小型湯沸かし器が主力といえる。

給湯器については、価格重視でメインで取り扱う販売店もあるが、商品も後発が多く、商品性やアフターサービス面で選ぶ理由は少ないと考える。

 

パーパス (PURPOSE)

PURPOSE ロゴ

  • 非上場(本社:静岡県富士市)

ガス機器においては、給湯分野を中心に手掛けており、ガス会社ブランドではノーリツやリンナイに続く採用枠を得ているが、一般市販市場でのシェアは低い。

価格重視でメインで取り扱う販売店もあるが、商品性やアフターサービス面で選ぶ理由は少ないと考える。

 

その他(需要が限定的)

長府製作所

ガス以外にエコキュートや電気温水器、ボイラーまで扱っているが、現在が「長府ブランド」でなければ、「長府のガス給湯器」を選ぶメリットはほとんどないと考える。

ハウステック

UR都市機構や公共住宅(団地)などで需要のある機種をメインで扱っており、現状が「ハウステック(日立)ブランド」や「バランスふろがま」などでなければ、「ハウステックのガス給湯器」を選ぶメリットはほとんどないと考える。

 

選ばれている人気メーカー2社は「ノーリツ」「リンナイ」

ガス給湯器の国内市場は、ノーリツとリンナイの2社で約8割のシェアを占めています。

つまり、この2社が最も選ばれている給湯器メーカーであり、買い替え市場も含めて、ほとんどのニーズを網羅しています。

 

パロマやパーパスとどう違う?

各メーカーは、業界の様々な基準をクリアすることで給湯器を発売しており、表向きは「品質レベルの比較」をすることは難しく、どのメーカーも同じレベルというのが一般的な見方です。

ですが、これはあくまでも表向きの話であり、業界に深く関わっていると見解も変わります。

そのキーとなるのが「実績と経験値」「より高いレベルの品質構築」です。

 

実績と経験値

ノーリツとリンナイの2社は、シェアや販売実績、アフターサービスの経験値、総合的なノウハウ構築も群を抜いており、給湯器の検討には欠かせないメーカーといえるでしょう。

 

より高い品質レベル

ノーリツ・リンナイ・パーパスは自社以外の第三者機関による「品質レベルのボトムアップ」が幅広く行われています。

それは、業界内で最も品質要求の高い「大阪ガス」に商品が多く採用されていることです。

大阪ガスには、メーカーとは別に「商品開発」と「品質管理」部門があり、独自の基準でメーカー品を1~2年かけて仕様から見直し、試験確認~製造ライン監査等も繰り返した上で「大阪ガスマーク」をつけて発売されます。
そして、このボトムアップは一般市販ブランド品にも水平展開されていきます。

特にノーリツとリンナイは大阪ガスの採用ラインナップの中核にあるため、全体的に高い品質レベルをクリアしていると考えることができ、安心面においても、よりおすすめのメーカーといえるでしょう。

 

メーカー選びは自分ですべき?販売店に任せるべき?

自分で選ぶメリットとは

自分でメーカーを選ぶということは、基本的な情報はカタログなどで下調べをしておくということです。

  • 給湯器本体のデザインを選べる
  • リモコンの機能やデザインを選べる
  • 購入後の修理や相談のアフターサポート窓口(実績があり、信頼できそうなメーカー)を選べる

基本情報をリサーチしておくことで、販売店の言われるがままに話が進むことを避けることができ、情報量が乏しい状態に比べ、見積り価格交渉などもしやすくなります。

 

販売店任せのデメリットとは

給湯器は難易度の高いシステム商品であり、検討すべき項目も多岐にわたるため、基本的な知識がなければ、メーカー選びさえも「販売店任せ」になりがちです。

販売店に任せるのも決して悪くはありませんが、販売店にも大きく2パターンあることを知っておきましょう。

  • ユーザーのメリットを最優先に考えてメーカー選定をする販売店
  • 自社が好意にしているメーカーで見積りを提示する販売店

少しでもメーカーにこだわりがあるのであれば、皆さんから「〇〇メーカー希望」と声を上げない限り、販売店の都合でコトが進んでいくことも少なくありません。

 

給湯器メーカーの選び方【6つの視点から選ぶ】

ガス給湯器のメーカー選びに正しい答えはありません。

理由は、全国の各ご家庭において「今使っているメーカー」「設置状況」「選ぶ視点(目的)」などが異なるからです。

ですが、これらを考えてみることで、理想のメーカーに近づく可能性は高まります。

 

1.同じメーカーの継続を主軸に検討する

現在、使用中の給湯器メーカーに不満がなければ、「同じメーカーの継続」を基本として検討するのもおすすめです。

理由は、工事や部材の費用を最低限に抑えられる可能性が高いからです。

 

追加工事の発生を減らす

ガス給湯器の工事は、大きく2つの工事費用が存在します。

  • 標準設置(取替)工事費 … 給湯器本体やリモコン設置、配管の接続、配管保温材、試運転など、機器交換の場合は素取り替えできる範囲が基本
  • 追加工事費…メーカーや機種によって配管接続の位置が異なり、既存の配管の再利用では届かない(短い)場合などに延長するための部材や作業費用など

メーカーは取り替えの際に「素取り替え」できるように、後継機種の配管接続位置もできるだけ合わせるようにしています。
ですが、他メーカーの機種に交換すると配管接続位置は大きく異なる場合も多く、追加工事費用が発生する可能性が高くなるのです。

 

ここまで追求する人は少ないですが、「選ぶメーカーによって工事費用に差が出ないか」を確認してみるのも交渉事の一つといえるでしょう。

 

 

部材の再利用ができる可能性

メーカーは、給湯器交換の際には部材(オプション品)関連もセットで交換することを推奨しています。

ですが、新旧の給湯器に互換性がある上で、部材の使用年数が短かったり、まだ十分機能する場合は現場判断で部材の再利用するケースがあるのも事実です。

特にマンションの取り換えは、戸建てよりも専用部材が多くなる傾向にあるため、要注意です。

部材(オプション品)は同じメーカーでなければ互換性がないため、メーカーを変更する場合は全て交換が必須ですが、再利用の可能性がある場合は、同じメーカーを継続するほうが見積り金額を抑えられるケースも出てきます。

 

2.ブランド力・実績・品質で選ぶ

ガス機器でも家電でも、各ご家庭でメーカーの好みは異なります。

ですが、「国内での企業規模」「上場企業」「知名度」「ガス会社による品質底上げ」などを総合的に考えると、やはり「ノーリツ」「リンナイ」の2社がメーカー選びの土台となるでしょう。

 

3.デザインで選ぶ

お湯さえ出れば、他は一切気にしない方には検討不要な項目ですが、給湯器でもデザインを気にする人が増えてきています。

 

給湯器本体のデザイン

昔のガス給湯器は、乳白色(クリーム)系のカラーが主流で、どのメーカーも本体デザインが注目されることはありませんでした。

ですが、リンナイが2009年に新色「シャンパンメタリック」でグッドデザイン賞を受賞してから、外壁やサッシと調和する色やデザインがスタンダードになってきています。

近年では、海外のオシャレな給湯器デザインが国内モデルに展開されている傾向も見られ、メーカーによって個性も出てきています。

 

リモコンのデザイン

給湯器のリモコンは、リビングや台所、浴室などに設置される設備の一つです。

生活空間内で視界に入りやすい設備であるため、機能よりもデザイン重視のユーザーさんも多く、リモコンがメーカー選びの決め手になることは非常に多いです。

各ご家庭によって調和するデザインや色は異なるため、給湯器本体とあわせて各メーカーの商品をチェックしておくことをおすすめします。

 

4.使いやすさで選ぶ

同グレードであれば、給湯器本体の基本仕様はメーカー間で差がないと考えてよいでしょう。

しかし、リモコンの仕様(使いやすさ、見やすさ、デザイン、機能)などは、メーカーや機種によって大きくコンセプトが異なります。

日々のお湯ライフで一番使うのは「リモコン」です。

各メーカーのカタログやホームページなどでリモコンの機能をチェックしておくことが、メーカー選びのキーポイントとなることでしょう。

 

5.オプションや付加機能で選ぶ

給湯器には、付加価値をアップさせるオプション設備があり、コンセプトやラインナップは各メーカーで異なります。

以下はその一例(※対応機種であること・利用条件あり)です。

 

ノーリツの場合

  • 浴槽の循環アダプターを変えるだけで、マイクロバブル浴が楽しめる
  • 無線LAN対応給湯器(IOT技術)とスマートフォンの連携で、入浴者の”見まもり”が可能となり、入浴事故の軽減に期待ができる

 

リンナイの場合

  • マイクロバブルバスユニットを給湯器と接続することで、お湯を白濁させるマイクロバブル入浴が楽しめる(給湯器内蔵タイプも発売済)
  • 停電時でもお湯を使えるようにするオプション品の「停電対応ユニット」がラインナップされている
  • スマートフォン(アプリ)でリモコンを遠隔操作することができる

 

 

6.アフターサポートを考えて選ぶ

ガス給湯器は、毎日のお湯をつくる重要設備であるため、アフターサポート面も軽視できません。給湯器の故障が発生した場合を想定することで、見えてくる「メーカー選びのポイント」があります。

 

コンロとメーカーを揃えてみる

ガス機器の修理は基本的にメーカーのサービス代行店が行います。

つまり、ガスコンロがリンナイで、給湯器がノーリツだった場合、それぞれの修理依頼先が異なることになります。

仮に給湯器とガスコンロの調子が同時に悪くなった場合、メーカーを統一しておけば、一度の出張で修理が可能となるため、サービス費用の節約にもつながります。

 

メーカー独自の無料延長保証

ガス給湯器のメーカー保証期間は、BL認定品(優良住宅部品)で2年、それ以外は1年が基本です。

ですが、メーカーによっては、購入後に無料で保証期間を延長することが可能です。

例えば、リンナイの家庭用給湯器の場合は「あんしんの3年保証」制度があり、通常1年または2年の保証期間が無償で3年になります。

 

条件は、給湯器利用者の所有者情報を登録するだけの簡単作業。

これは、ユーザーにもメーカーにもメリットしかありません。

  • ユーザーメリット:無料で保証期間が3年に延長される
  • メーカーメリット:所有者情報で給湯器の設置場所が把握できるため、万が一、不具合等が発覚した際に所有者に迅速に点検案内等を送ることができる

 

メーカー選びは上手に買い物をする第一歩

給湯器選びにおいては、「本体の購入価格(割引率)」も重要ですが、
販売店が出す見積金額だけを見ていては、落とし穴があっても発見できません。

 

  • 見積書に提示されているメーカー(製造元)はどこか?
  • 工事は素取り替え可能か?(メーカーによって配管接続位置が異なり、追加工事費用に影響することがある)
  • 現在の機種と同等仕様であるか?(出湯性能がダウンしていないか?オーバースペックではないか?)

など、この記事で紹介してきた雑学を販売店に投げてみることで、一方的な契約になるリスクを減らし、価格交渉も含めて満足度の高い買い物に繋がることを期待します。

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この記事の執筆者プロフィール

ケアラCareLa編集部【公式】

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暮らし・住まい
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『暮らし』と『住まい』のモノ・コトを追及して情報発信する編集部。住宅設備、ガス器具、家電製品、暮らしのお役立ちコンテンツなどをお届け!

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